バカとヲタクと妄想獣

最近、松本清張の短編集にはまっています。
鬼畜見たさに借り始めたんですがまぁ面白いこと面白いこと。

その流れで朗読CDも借りまして、そこで出会ったのがこの「二階」

こりゃぁどえらい作品やで！
とのたうち回っていたとこr、TUTAYAさんで偶然DVDを発見。

これは・・・素晴らしい出会いになるで・・・

松本清張傑作選 第一弾DVD-BOX (2009/11/06) 竹下景子、吉永小百合 他 商品詳細を見る

心残りは２０点だけです・・・。

こんな映画に誰がした！
まさかの原作クラッシャー。
雰囲気ぶち壊しーの
キャラクター崩壊させーの
ラストは繊細さを感じさせない大雑把になりーの

誰にもおすすめできない一作となっております。
低予算でも作り手の心意気が感じられれば良かったんですが
この映画からは適当さしか感じられませんでした。

良いところは無い！と断言します。


総評

ストーリー　★★★★★

病気の夫を甲斐甲斐しく看病し、その傍らで仕事にも力を入れる妻。
そこへ夫の看病に看護師を雇うのだが・・・。
決して悪人が登場する話ではない。
人間の心と心が交差し、絡み合い、破滅へと向う様は恐ろしくもあり美しい。

原作を知っているからの★５であって、この映画だけ見たら★１～２だったかなw


演出　☆☆☆☆☆

評価できないダメっぷり。
惚れこんだ原作を全て壊す追加要素、そして演出はヒドイの一言。
ラストが大事な話だけにラストだけよければ・・・！
という希望も改悪に次ぐ改悪に全てぶち壊され。

もうネタバレ上等で言いますが。
ラスト、看護婦と夫は遺書を残し心中します。
それを見た妻は看護師を夫から引っペがし遠くに寝かせ
「私と夫は心中します。看護師さんはダメだと言ったのに付き添って死んでくれるそうです」
そう書き残し自らも命を絶つ。
本当の略奪者は看護師だったのか、自分だったのか・・・。

奥さんは最後まで夫と看護師の関係に確信が持てず、その描写がとても良いのです。
ふたりの関係も「過去の恋人」ということは描かれますが、詳細は書かれません。
むしろ妻が看護婦の遺書を読まずに焼き捨ててしまう。

メインは妻の心情なんです。
何も分からず、自分が蚊帳の外にいる間にことが進んで最悪の事態になってしまう。
だが妻も夫を愛している。そして看護婦は疑わしいが証拠もない。
まだ看護婦が来て数日、おかしいのは自分なんじゃないか。
そんな葛藤。

が、映画は・・・。
妻は露骨なまでに嫉妬心をあらわにしていく。
最初から最後まで疑心暗鬼。
無駄に看護師の背景を描写し、死ぬ理由を作る。
ラストも事実だけを淡々と描き妻の葛藤は描かず。

百歩譲って看護婦の背景は面白くなる要因に成り得たかもしれません。
ですが作り手が圧倒的に無能だった・・・！
昼ドラ仕立てにした結果、ただの後味の悪い悪趣味映画になってしまった。

原作に惚れ込んだだけに見終わって怒り心頭でした。


低予算適当映画　★★★★★

NGレベルのミスが画面に。
カットしようよ・・・。


二階を三倍楽しむ方法

原作読んでからこき下ろしましょう。
一緒に怒りましょう。

古い映画なだけに怒りの矛先の向けどころがわかりませんが。

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