あらすじ
飛行機に乗り合わせた数名が体験する奇妙なタイムトラベル。
全員がその年代に何かしらの思い残しがあり、引っ張られるように過去へやってくる。
その耳には少し古い洋楽「この胸いっぱいの愛を」が何故か残っており……。
辻褄の合ったタイムトラベル理論
古今東西タイムリープやらタイムトラベルには矛盾やモヤモヤが付き物ですが、本作は全ての事柄に一応片を付け切ったのはお見事。
とはいえ基本的にタイムトラベルの醍醐味である伏線回収やアハ効果は無く、SF的にはかなりの薄さになっております。
「黄泉がえり」の作者と言うことで納得と言えば納得、というかほぼ黄泉がえりですなぁ。
と書いていたら、映画の黄泉がえりと原作の黄泉がえりはかなり違った設定な様子。
映画しか知らなかったので、これは読んでみたい。
ネタバレ
タイムトラベルと言えば、タイムパラドックスはどうなるんだろうというのが伏線回収の肝となる部分です。
一例をあげると
ドラえもん→パラレルワールド(別世界)理論
シュタゲ→別世界戦(別世界)理論
時かけ→特になし
バックトゥザフューチャー→単純に未来が変わる
なんにせよ、それを描き切るのは超大変っていうことですかね。
で、本作はと言うと
飛行機事故で全員死んでいるので主観的には描かなくてOK!
というなかなかのナイスプレーに出ております。
過去と向き合う、過去を見つめなおす、自分の存在意義を確認する、など過去がメインの話なので問題ないと言えば問題ないのですが。
やっぱりアハ効果が足らないんじゃー。
話的にはそんなSF要素が絡む程度で、あとは普通の(?)恋愛ものになっております。
恋愛もの好きなら良いんだろうけど……。
SF好きには物足らない、というか方向性の違う話となってしまいました。
でも映画版と原作小説版は大いに気になる作品でしたので、黄泉がえり含め見てみたいと思います、